自閉症の原因と葉酸サプリの選び方|体質によっては注意が必要
「自閉症の原因って、妊娠中の食べ物やサプリと関係あるの?」
そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。
実は、妊娠中にとる“葉酸サプリ”の種類とその人の体質によって、赤ちゃんの発達に影響が出るかもしれないという研究があります。
葉酸サプリが悪いわけじゃない。体に合うかどうか
葉酸は、赤ちゃんの脳や神経を作るのにとても大切な栄養素です。
だから妊娠前から、国でも「400μgの葉酸をとってください」とすすめています。
でも実は、日本人の中には葉酸をうまく体で使えない体質の人がたくさんいます。そういう人が、体に合わないタイプの葉酸をとり続けると、「未代謝葉酸(UMFA)」という形で体にたまりやすくなります。
このUMFAが多くなると、赤ちゃんが自閉症になるリスクが高くなるかもしれないという報告があります。
なぜ葉酸が体にたまるの?

葉酸には主に2つのタイプがあります:
| 種類 | 特徴 |
| 合成葉酸(フォリック酸) | 多くのサプリに使われる。体の中で変換が必要 |
| 活性型葉酸(5-MTHF) | すでに体で使える形になっている |
日本人の約6割は「MTHFR(エム・ティー・エイチ・エフ・アール」という遺伝子に特徴があって、合成葉酸を活性型にうまく変えられません。日本で販売されている葉酸サプリはほとんどが合成葉酸です。 その結果、毎日400μgとっていても、体がうまく使えない葉酸が残ってしまうことがあるのです。
研究でも分かってきた「葉酸の代謝」と赤ちゃんの発達の関係
アメリカで行われたボストン出生コホート研究では、567人の赤ちゃんのへその緒の血液(臍帯血)を調べたところ、葉酸の代謝がうまくいっていない赤ちゃんほど、自閉症スペクトラム症(ASD)になった割合が高かったという結果が出ました。特に、「未代謝葉酸(UMFA)」の量が多かった赤ちゃんでは、自閉症のリスクが約2.26倍高くなっていたという報告があります(出典:PubMedCentral)
葉酸は不足してもいけない。バランスが大事
ここまで読むと「葉酸って危ないの?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。葉酸はとても大切な栄養素です。不足してしまうと、赤ちゃんの神経管閉鎖障害という病気のリスクが高くなります。だから大事なのは、「とること」ではなく、「自分の体質に合った形と量でとること」なんです。
解決策:体に合った葉酸を選ぼう
自分の体が葉酸をうまく使えるかどうかを知るには、遺伝子検査(MTHFR)を受ける方法もありますが、難しい場合は最初から「活性型葉酸(5-MTHF)」を選ぶのが安心です。
サプリを選ぶときのポイント:
| 合成葉酸の表記 | 活性型葉酸の表記 |
| Folic Acid(フォリック酸) | 5-MTHF / メチルフォレート |
| モノグルタミン酸型葉酸 | L-5-Methyltetrahydrofolate |
| Quatrefolic® / Metafolin® |
※遺伝子の特徴が分からない場合は、活性型葉酸を選ぶと安心です
葉酸がとれる食べ物も紹介します
毎日の食事からも葉酸はとれます。特におすすめなのは:
- 緑の野菜(ほうれん草、小松菜、ブロッコリー)
- 果物(アボカド、いちご、オレンジ)
- 大豆食品(納豆、枝豆、豆腐)
- 海藻(のり、わかめ)
これらは天然の葉酸が入っていて、体にたまりにくく、安心です。
まとめ:あなたと赤ちゃんのために「体に合った葉酸」を選ぼう
- 葉酸は赤ちゃんの脳の発達に欠かせない大切な栄養素。
- でも体質によっては、合成葉酸が体にたまることがある。
- 体に合わないと、未代謝葉酸がたまり、発達への影響が出る可能性も。
- 活性型葉酸(5-MTHF)なら、体質を問わず使いやすく、安心。
- サプリの成分をチェックして、自分に合った葉酸をえらびましょう。
妊娠中の食べ物やサプリは、赤ちゃんの健康に大きく関わります。
「足りないのもこわい」「とりすぎて体にたまるのもこわい」——そんな時は、バランスをとること、そして体質に合った形を選ぶことが一番大切です。
未来の赤ちゃんのために、今日からできることを一歩ずつ始めていきましょう。
